【ここで学べること】
・NBGコードって?
・ペースメーカのモードは何があるの?
・各モードの動きかた
デバイスのモード
ペースメーカはもちろんのこと、ICDやCRTを理解するうえでも必要となります!
トラブルシューティングの際は各モード設定の動きをしっかりと理解しておかないと解決の糸口にはたどり着きません。
しっかりここで理解していきましょう!
NBGコード
ペースメーカの機能は3~5文字であらわされます。
それらをNBGコードといいます。
確認を含めていきましょう!
5文字目のマルチサイトペーシングはCRT特有のものです。
CRTはペースメーカとICDと違い3本目のリードLVリードを使用して左心室を刺激してあげることによりディスシンクロニー(非同期)を改善します。
はい!NBGコード確認しましたね!
それでは、各モードに移っていきましょう!
AOO/VOO/DOO 非同期モード
センシングは一切せずに下限レートに従ってペーシングをします。
AOOであれば心房を、VOOであれば心室、DOOであれば心房心室両方です。
MRI検査のときや電気メスなどの電磁干渉がある場合に使用していることが多いです。
注意点!!
自己波が出ている人にVOOを設定してしまうとRonTを誘発してしまいます。
非同期にする際は自己波が出ないようにレートを設定してあげることが大切になります!
AAI/VVI
AAI
A:右心房をペーシング
A:右心房の自己波を感知
I:自己波を感知するとペーシング抑制
右心房に電極リードを1本留置し、下限レートで心房をペーシングします。
下限レートまでの間で自己心房波を感知すればペーシングを抑制します。
適応疾患はSSSです。
ですが、現在はあまり見なくなりました。
VVI
V:右心室をペーシング
V:右心室の自己波を感知
I:自己波を感知するとペーシング抑制
右心室に電極リードを1本留置し、下限レートで心室をペーシングします。
下限レートまでの間で自己心室波を感知すればペーシングを抑制します。
このモードを使う疾患はAFbradyが主です。
または、シングルのICD患者でバックアップ目的で設定されることもあります。
DDD/DDI/VDD
DDD
D:心房心室をペーシング
D:心房心室の自己波を感知
D:抑制と同期
心房と心室に1本ずつ電極リードを留置します。
臨床では一番見かける設定だと思います。
- AsVs:心房心室両方とも自己波形を感知
- ApVs:心房のみペーシング
- AsVp:心室のみペーシング
- ApVp:心房心室両方ペーシング
プログラマ上の心電図では色付きでマーカーがついていますが、マーカーに惑わされないように!!
心電図波形がwideなのかnarrowなのか陰性下向きなのか上向きなのか、下限レートでペーシングしているのか期外収縮をセンスしているのかなどをしっかりと見極めなければなりません。
DDI
D:心房心室をペーシング
D:心房心室の自己波を感知
I:自己波を感知するとペーシングを抑制
DDDと同じように心房と心室に電極リードが1本ずつ入っています。
このモードはモードスイッチのときに切り替わります。
モードスイッチとは?となった人へ簡単に例をあげると
特殊なペーシングモードをチェック!!
VDD
V:心室をペーシング
D:心房心室の自己波を感知
D:抑制と同期
心室に電極リードが1本入っていますが、ほかの電極リードと違い心房の位置に浮遊電極がついています。
これにより電極リードが1本でも心房をセンシングできる仕組みになっています。
いまではあまり見かけないモードであり、浮遊電極つきのリードがいまでは見かけなくなりました。
まとめ
モードはデバイス本体の作動を知る手がかりの1つとなります。
今回書いたモード以外にも「AAI-DDD」や「DDDR」などメーカーごとに違いがあるものがたくさんあります。
後々その範囲も記事にまとめる予定です!
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