ペースメーカフォローアップやり方

CEさん
CEさん

多くの方からフォローアップで気を付けていることはなに?と聞かれることがあります。
今回はペースメーカのフォローアップに関して気を付けていることを書いていきます!

※フォローアップの仕方やポイントの考え方は人それぞれなので、あくまで参考として見てください!

フォローアップ、デバイスチェックの意義

まず、念頭に置いておかないといけない意義についてです。


デバイスを適切な設定にすることは患者さんのQOL向上に直接関係します。


電池寿命であったりレート管理であったり・・・


適切な出力設定で電池寿命をできる限り延ばし本体交換の回数を減らす


患者さんに合わせたレート管理をすることで心不全の憎悪を防ぐ


定期的にデバイスチェックを行うことで設定の見直しをすることができます。


また、イベント記録によって薬の処方を変更したり、不適切動作の発見にも繋がります。


診察診断が医師だけの特権ではありません。


植え込みデバイスにかかわる人全てが診察診断が可能です。


多職種で連携をしながら日々のデバイスチェックを行えればと思います。


長くなりましたが、本題いきましょう!

新規植え込み後と本体交換後チェック

新規植込み後

新規植え込み後は閾値と波高値、インピーダンスが許容範囲内であることが重要です。


こちらの記事でちょっと触れているので目を通してみてください。

ペーシングとセンシング←チェック

術後6週間はリード先端が不安定であり、感染の危険もあります。


術後はリード先端が心筋に癒着していないため脱落しやすく、本体が体内で移動する可能性があります。


閾値や波高値、インピーダンスがその時はよくてもあるときに不安定になります。


安定していない状況で出力を落とし万が一閾値が上昇によりペーシング不全になってしまってはデバイスを植え込んだ意味がありません。


新規植え込み術後約1週間はペーシング不全が起きないようにするためにフルペーシング設定にしておきます。


例えば・・・

【植え込み前】
Ⅱ度block
自己脈:50bpm AVdelay:200ms

【参考設定例】
モード:DDD
レート:60ppm
AVdelay:PAV/SAV 180/150ms

要点として、


フルペーシング=常に心房心室にペーシングがはいるモード


です。


設定時の注意点として、フュージョンに気を付けます。


設定レートは自己脈よりも約+10ppm程度と覚えておきましょう。


AVdelayも同様に心室ペーシングがはいるように調整します。

本体交換後

本体交換後は基本的にリードも安定しているため閾値や抵抗値などに変化はありません。


なので、設定は植え込み前と同じにすることが多いです。


特殊なペーシングモード(レートレスポンスや自己優先モードなど)設定は術後以降に設定します。


理由としては術中は電気メスなどを使用しており、電気メスがデバイスに干渉して不適切作動をする可能性があるためです。


レートレスポンスや自己優先モードについてはこちらの記事を見てください。

特殊なペーシングモード←チェック

1weekチェック

1weekチェックはリードのズレがないか、閾値などに異常がないか確認します。


まれにリード先端のズレや本体の移動などがあるため、


閾値などだけではなくレントゲンや患者創部などの観察も必要です。

CEさん
CEさん

本体移動によりリード先端がズレるときがあるため注意が必要です!!

閾値計測に問題がなければ自動出力設定自動感度設定をONにします。


新規植込み後であれば自己優先モードの検討を担当医師と相談のうえ決定します。


また、MRIの同意書や遠隔モニタリングについても1weekチェックで説明を行います。

外来フォローアップ

外来フォローアップは1年または半年に1度のペースで行われることが多いです。


外来フォローアップでは1weekと同様に閾値・抵抗値・波高値の計測を行いますが、


チェックを行う前に確認項目があります。

  • 前回チェックデータ
  • 前回チェックでの不整脈イベント
  • 前回からの設定変更項目の有無
  • 胸部レントゲン
  • 心電図

これらを確認したうえで外来のチェックを行います。


前回チェックと今回のチェックを見比べて


チェックデータに変化がないか


設定変更したのであれば作動には問題がなかったか


を評価することがとても重要です。


一部例として、


AFが増加してきたら、ペーシングモードを検討


自己優先であったが、ペーシング率が上昇しているのでペーシング優位の設定を検討


患者さんの年齢や背景を考慮して電池寿命を延ばす設定に変更


など今後のことを考えたうえで設定変更を行います。


また、不適切作動があれば原因を追究し、取り除くことも必要になります。


外来フォローではトラブルシューティングが一番重要になります。

↓合わせてチェック!!↓
トラブルシューティング その1

トラブルシューティング その2

まとめ

ここでの記事は基本的なことしかまとめていません。

各デバイスの特性をしっかりと理解したうえで設定が重要になります。

他の記事でもモードのまとめなどもあるのでぜひ活用してください!!

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