心電図のキホン
刺激伝導系
簡単に刺激伝導系についておさらいしましょう。
洞房結節
↓
房室結節
↓
ヒス束
↓
右脚・左脚
↓
プルキンエ繊維
この順序で心臓に電気信号が流れ心臓が興奮します。
心電図波形
P波:心房の収縮(脱分極)
QRS波:心室の収縮(脱分極)
T波:再分極
基本的には上向き(陽性)の波形を示します。
これが下向き(陰性)の波形のときは、胸部誘導を貼る位置が間違っているか、心疾患や体内の電解質異常のサインになります。
正常心拍数は60-100bpm
心拍数が60bpmを下回っているからといって何か対処をしないといけないわけではありません。その時の患者さんの状態に合わせて適切な判断をしましょう。
徐脈患者に対しての治療の一つである“ペースメーカ”に関しても後日解説予定です。
心拍数の数え方
基本波形を覚えた次は心拍数の数え方を覚えましょう。
モニターに表示されている方眼があると思います。
1マス 0.2秒(200ms)
5マス 1.0秒(1000ms)
よく”ミリ秒“という言い方を循環器の医師は言っているような気がします。
最初のQ波の始まりから次のQ波までちょうど5マスあるので
60000➗1000=60
この心電図は60回/sだと言えますね!
ただ、もっと簡単な方法があります。
300➗マス目の数
これにより、グッと簡単になるはずです。
今回であれば、
300➗5=60回
マス目が4つであれば
300➗4=125回
これを使えばおおよその心拍数を把握できると思います。
異常波形
VT:心室頻拍
[特徴]
心臓疾患などにより正常の心拍数の倍以上の心拍数で興奮します。
正常な刺激伝導系とは無関係に起こり、失神や胸部不快感、息切れなどの症状がでます。
心臓からの血液が十分に送られずに最悪の場合突然死の原因になります。
VF:心室細動
[特徴]
心臓疾患などにより発症します。主に急性心筋梗塞が原因です。
心室内で多数の興奮が起こり、心室自体の拍動が正常に行われずに血圧が保てなくなります。
[対応]
これらの致死性不整脈により心停止が起こった場合は迅速な心肺蘇生処置が必要になります。
また、病院以外の場所ではAEDの使用により救命率が格段に上がるため心肺蘇生と合わせて行うとなお効率的です。
致死性不整脈の予防として薬剤やICD(植込み型除細動器)植込みが第一選択となります。
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