【ここで学べること】
・心室頻拍
・心室細動
・心室期外収縮
・器質的心疾患
【心室性不整脈とは】
心室からの異常な電気信号によって引き起こされる不整脈の一種です。心室不整脈には、心室頻拍や心室細動などが含まれます。これらの不整脈は、心室の異常な電気的活動によって、不規則な拍動が生じます。症状には息切れ、胸痛、めまいなどがあります。
治療法には薬物療法、カテーテルアブレーション、ICD植え込みなどがあります。
心室性不整脈
心室性の不整脈は心房細動とは異なり緊急性が高いことが多いです。
除細動を使用しなければいけない場面や薬剤投与などたくさんの対処法が存在します。
多くの心室性不整脈があるなかで大きく3つに分けることができます。
心室細動、心室頻拍、心室期外収縮に分けて解説していきます!
それでは、やっていきましょう!
心室細動(VF : ventricular fibrillation)
致死性不整脈としてよくあげられる疾患です。
適切に対処を行わないと血行動態が破綻し最悪の場合死に至ります。
原因としては虚血性心疾患が多く、急激な心拍出量低下により心停止を引き起こします。
対処としては除細動が第一選択されます。
除細動を使用しても心室細動が止まらない場合は心臓マッサージを継続し再度除細動を行います。
また、場合によってはV-AECMOを導入することもあります。
過去に心室細動の既往がある場合はICDの植え込みが選択されます。(原因が可逆的なのであれば適応ではない)
心室頻拍(VT : ventricular tachycardia)
心室(ヒス束以下の刺激伝導系を含む)を起源とする3連発以上続く幅の広いQRSの頻拍で、100/分以上のものをいいます。
VTは持続時間、波形、心疾患の有無により分類されます。
- 持続時間からの分類
- QRS波形からの分類
- 器質的心疾患の有無からの分類
【持続時間からの分類】
・非持続性VT(non-sustained VT)
3連発以上で30秒未満
・持続性VT(sustained VT)
30秒以上持続する
NSVTなど略語で言われることが多いのでここで覚えておきましょう!
【QRS波形からの分類】
・単形性VT(monomorphic VT)
・多形性VT(polymophic VT)
・単形性VT
同じQRS波形が続く
左脚ブロックと右脚ブロックに分けられる
・多形性VT
複数のQRS波形が続く
トルサードドポアント(TdP)もその一つ
急性心筋梗塞やQT延長症候群が原因として多い
【器質的心疾患の有無からの分類】
・心疾患無→特発性VT
・心疾患有→虚血性心疾患と非虚血性心疾患
特発性VT
次の組み合わせでVTが出現する
左脚ブロック+右軸偏位を示す右室流出路起源
右脚ブロック+左軸偏位
器質的心疾患 |
虚血性心疾患 ・急性冠症候群(不安定狭心症、急性心筋梗塞) ・陳旧性心筋梗塞 非虚血性心疾患 ・拡張型心筋症(DCM) ・肥大型心筋症(HCM) ・不整脈原性右室心筋症(ARVC) ・心筋炎 ・先天性心疾患(ファロー四徴症) ・ブルガダ症候群 ・QT延長症候群 |
心室期外収縮(VPC : ventricular premature contraction)
正常調律よりも早期に心室もしくはその近傍から発生する不整脈
【分類】
・特発性VPC
・器質的心疾患に伴うVPC
・特発性VPC
一般的に予後は良好
症状がなければ治療は不要
・器質的心疾患に伴うVPC
瘢痕ないもしくはその辺縁に起源があるものが多く、心外膜に起源がある場合がある
まとめ
以上がさっくりとまとめた心室不整脈です。
たくさん略語や器質的心疾患などおさえるところが多いですね・・・
それと、心室があれば心房不整脈もあるので混同しないようにしましょう!
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