植え込みデバイスとは?

[ここで学べること]
・ペースメーカの構造
・ICDとCRTの構造
・ペーシングリードについて

植え込みデバイス
体内に埋め込む医療機器の総称です。心臓ペースメーカーや人工関節、インプラントなどが代表的な例です。
ここでの植え込みデバイスとはペースメーカやICD、CRTといった致死性不整脈に対してのデバイスを取り上げています。基本的な構造を理解しておきましょう。

ペースメーカ

徐脈に対して使用されるデバイスです。

SSS(洞不全症候群)
房室ブロック
徐脈頻脈症候群

の患者さんに対して使用されます。

構造

外装チタン
リードコネクタ透明ポリウレタンorエポキシ樹脂
電池ヨウ素リチウム電池

各社それぞれ大きさや分厚さが異なっており、患者さんに合わせたサイズを選択し植え込み手術または交換手術を実施しています。
瘦せ型ならば本体が小さくて薄いものを・・・など
電池寿命は植え込み後の設定に大きく左右されますが、約8-9年ほどです。

※メーカーが出している電池寿命では10年以上と記載されているものもあります

ペーシングリード

ペースメーカには制御する司令塔の本体とペーシングセンシングを行うリードがあります。

心外膜に留置する心外膜リードと心内膜に留置する心内膜リードの二種類があります。

心内膜リードと心外膜リード


心内膜リードには心尖部に留置するタインド型と心室中隔に留置するスクリュー型があります。

ペーシング波形が生理的な刺激伝導に似ていることから心室中隔に留置することができるスクリューリードを使う症例が増えています。

タインドリード心尖部に留置
スクリューリード心室中隔に留置

電極:プラチナ-イリジウム合金
導線:コネクタピン、コネクタリング:ニッケルコバルト合金
被膜:シリコンorポリウレタン

長所短所
タインドリード留置手技が容易
穿孔のリスクが低い
留置部位が心尖か心耳のみ
リードディスロッチが起きやすい
抜去困難
スクリューリード留置部位を選ばない
リードディスロッチが起きにくい
抜去が比較的容易
留置手技が困難
穿孔のリスクが高い

リードには極性があり双極(バイポーラ)リード単極(ユニポーラ)リードです。

先端に陰極と陽極のあるバイポーラリード
先端が陰極で本体が陽極のユニポーラリード

長所短所
バイポーラノイズをセンシングしにくい構造が複雑
耐久性に不安がある
心電図上
でペーシングスパイクが確認しにくい
ユニポーラ構造が単純
耐久性に優れる
心電図上でペーシングスパイクが確認しやすい
ノイズをセンシングしやすい

ICD/CRT-Dの構造

ICDは致死性不整脈に対して、CRTは左右心室の同期不全に対して使用されます。

本体構造

ICD(Implantable Cardioverter Defibrillator):植え込み型除細動器
CRT(Cardiac Resynchronization Therapy):心臓再同期療法

外装チタン
リードコネクタ透明ポリウレタンorエポキシ樹脂
電池銀酸化バナジウム・リチウム電池

ペースメーカと比べて本体が大きく厚さも分厚くなります。

理由として除細動を行うためのコンデンサの追加やバッテリーが大きいためです。
そのため、植え込み手技の本体を収納するポケットの大きさも大きくなり患者さんへの侵襲がより増えるものになります。

リード

ICD,CRTには心室/ショックリードというペースメーカとは違うリードがあります。

種類として、IS-1/DF-1タイプとDF-4タイプがあります。


その中でもトゥルーバイポーラインテグレーティッドバイポーラに分けられます。

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