【ここで覚えられること】
・抗不整脈薬の種類
・Vaughan Williams分類
・各分類の作用・副作用
抗不整脈薬
心臓の不整脈を制御するための薬です。
心臓のリズムを安定させ、正常な拍動を促進します。主な種類にはβ遮断薬、Ca拮抗薬、Na拮抗薬、およびK拮抗薬があります。これらの薬は、特定の不整脈に対応し、心臓の電気的活動を調整することで効果を発揮します。
Vaughan Williams分類
「Vaughan Williams分類」聞いたことがある人は少ないと思います。
この分類は不整脈の治療薬である抗不整脈薬を作用機序別に分類したもので大きく分けて5分類できます!
よく使用される薬剤を赤色でまとめました!!
※APD:活動電位持続時間
次は各分類の作用と副作用についてです。
禁忌のものもあるので間違えて覚えないように注意です!
Ⅰ群類
多くの頻脈性不整脈に有効
副作用として
・催不整脈作用(薬の投与により既存の不整脈が悪化する、または新たな不整脈が発現する)
・陰性変力作用(弱心作用)
があり、器質的心疾患や心不全、LOS患者にはⅠ群を使用すべきではない
Ⅰa、Ⅰc群はAf患者の洞調律維持に使用されることが多いが、高齢者や腎機能低下患者に対しては副作用が起きやすい。
Ⅰa群の抗コリン作用により、男性は前立せん肥大を合併することが多い。
また、尿閉や排尿困難、口喝、霧視、便秘、眼圧上昇のリスクもある。
Ⅰc群は心筋梗塞既往歴の患者に投与すると予後が悪化する。
Ⅱ群類
頻脈性不整脈に有効
房室結節抑制作用があるため、Afのレートコントロールに使用される。
副作用として
・徐脈
・血圧低下
がある。
心不全患者に対して
・ビソプロロール
・カルベジロール
が使用されることが多い。
心機能低下患者に対して
・ランジオロール
が使用されることが多い。
Ⅲ群
心筋のKチャネルを遮断することで不応期を延長させる。
副作用として
・QT延長からTdP(トルサードドポアント:多形成VT)が起きる。
アミオダロンは器質的心疾患に合併したVT、Vfに対して有効であり、ICD患者に投与されることが多く、心不全や肥大型心筋症に伴うAfにも使用される。
アミオダロン副作用
・間質性肺炎
・甲状腺機能障害
・肝機能障害
がある。
Ⅳ群
Ca拮抗薬として使用される。
副作用として
・弱心作用
があるため、心不全患者には使用すべきではない。
ベラパミルやジルチアゼムは房室結節抑制作用があるため、Afのレートコントロールに使用される。
ベラパミルはPSVTを停止させる目的で使用されることが多い。
作用、副作用は理解できたでしょうか?
次は、薬が直接デバイスに与える影響や実際の不整脈に有効な薬を見ていきましょう!
デバイスへの影響
ペーシング閾値の上昇
・メキシレチン
・プロパフェノン
・フレカイニド
・ピルシカイニド
・アミオダロン
除細動閾値の上昇
・リドカイン
・メキシレチン
・アミオダロン
・ベラパミル
除細動閾値の低下
・ソタロール
各不整脈に有効な薬
発作性心房細動
・プロカインアミド
・ジソプラミド
頻脈性心房細動
・プロプラノロール
・ベラパミル
発作性上室性頻脈
・プロプラノロール
・ベラパミル
コメント